maruの徒然雑記帳


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恋夢幻想〜13〜






 あの日からあっという間に一週間が過ぎていた。

 帝都・東京は不気味なくらいに静まりかえっている。

 人々の顔から笑顔が消え、町をいく人の数も減った。


 空を覆う暗雲がはれることもなく、太陽を見ない日が、もう何日も続いている。

 口にこそしないが、誰もが不安な面もちで暗く沈んだ空を見上げ、帝都の現状を憂い、そして怯えている。


 いったい帝都はどうしてしまったのかーと。


 人々の混乱をおそれ、公式発表はまだ行われていない。

 が、もう誰もがこの帝都の異変を漠然と感じ取っていた。

 市民たちに全てが知れるのはもう時間の問題だった。


 東京湾沖には依然としてあの無気味な魔城の姿がある。

 聖魔城ーあの日奪い去った魔神器を用い、叉丹が呼び起こした過去の遺物。

 それは霊子砲と呼ばれる武器を内蔵した強大な兵器だった。


 魔神器が奪われ、聖魔城が出現したその日から帝国歌撃団は休むことなく戦いの準備に追われていた。

 あれから一週間ー決戦の準備は最終段階を迎えていた。

 最後の戦いはもう間近だった。






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