maruの徒然雑記帳
「星降る夢で逢いましょう」様より頂きました。
リリカルなのはのなの×フェイの短めSSです。
なのはとフェイトの幸せな日常。素敵な夫婦ですよね♪
プルマージュ
「なのは〜歯ブラシ新しいのどこだっけ?」
と洗面室から声がする。
「引き戸の一番下だよー」
キッチンから続く廊下に顔を出して、答える。しばらくすると、
「あった!ありがとう♪」
と廊下の向こうから返事があった。
「はぁ」
ふと気が付くと口からため息が出てしまう。
エプロンの紐を結びなおして、キッチンへと向かう。
フェイトちゃんは明日から、長期任務。
長期と言っても、20日位かな?でも20日も会えないのは、やっぱり寂しい。
任務の時は、出来れば笑顔で送り出してあげたい。
笑顔で送り出して、笑顔で帰ってきてほしいから。
フェイトちゃんがタオルや歯ブラシを持ってリビングへと戻ってきて、それらをテーブルの上へ置く。
やっぱりそれを見てしまうと、明日行っちゃうのか。
なんて、切なくなってしまう。
「なのは?どうしたの?」
って、いつの間にかキッチンにまわっていたフェイトちゃんが、後ろからそっと抱きしめてくる。
後ろから両手を私のお腹を包み込むようにされると、フェイトちゃんのいい匂いがして、
「もう、危ないよ」
って言いながらも、フェイトちゃんの肩に顔をすり寄せる。
「寂しい?」
ってフェイトちゃんが聞いてくるから、
「うん。寂しいよ」
と素直に答える。
「良かった。寂しくないって言われたらどうしようかと思った」
とフェイトちゃんがクスリと笑う。
そんなはずない。フェイトちゃんが居ない世界なんて、考えられない。
許されるなら、一分一秒だって一緒に居たい。
そういう思いを込めて、フェイトちゃんの手の上に自分の手を重ねる。
「なのは、帰ってきたらたくさんわがまま聞くからね。いっぱい一緒に居よう。」
「フフフ、そんな事言ったら、大変だよ。えっとね、一緒にお風呂に入って、ソファで膝枕してもらって、お姫様だっこでベットに運んでもらおうかな?」
指を折りながらそんなことを言ってみる。
なんだか、今日はすごく素直に話せる。
フェイトちゃんが抱いてくれている手に力が籠もる。
「なんだ、そんな事……今から実践出来るよ」
って、項に唇を付けながら、低い声で囁かれて、その声の振動に体が反応してしまう。
「んっ……今はダメ。ヴィヴィオがもうすぐ帰ってくるし、フェイトちゃんも明日辛いよ」
「じゃあ、お風呂は3人で入ろうよ…。それで、お風呂からあがったら、交代で耳掃除付の膝枕ね。……最後のはヴィヴィオが寝てから……ね」
それなら、いいでしょうって、子供みたいに私の頭に顔をすり寄せてくる。
「もう、明日に響かない程度にね。」振り向くように自分の顔をフェイトちゃんの顔に摺り寄せる。
それが合図。
紅い瞳が細くなって、少し上から唇が降りてくる。
チュッ
それで離れようとすると、フェイトちゃんの腕に力が籠り、
「んっ、なのは…もっと…」
もう一度、今度は深く。
体の向きを少し変えられて、私の歯をなぞるようにフェイトちゃんの柔らかい舌が入ってくる。
私は手で、フェイトちゃんの体を押し返して
「ぁっ、だめだよ…フェイト…ちゃん、ヴィヴィオが帰ってきちゃうから…」
フェイトちゃんを見るとルビーの瞳を細めてすごく優しく笑っている。
ずるい…その笑顔…
「うん。わかってるよ。でも…もう少しだけ…」
ねっいいでしょう?
そんな優しい声で囁かれたら、ダメって言えない…
体の向きを完全に変え、正面で抱き合うような体制になって、キスをする。
フェイトちゃんの舌が優しく、私に入ってくる。
フェイトちゃんの舌を、自分のでむかえに行く、お互いの舌を絡ませる。
甘くて、甘美な舌。
自分の舌で、フェイトちゃんの舌の表面を擦る。
気持ちいい…
このキスを20日も出来ないと思うと、また寂しくなってきてしまう。
フェイトちゃんの背中に回した自分の手に力がこもる。
もっと…もっと…フェイトちゃんと一つになりたい。
《寂しいよ。フェイトちゃん…》心で想う。
気持ちが伝わったように、フェイトちゃんの腕にも力がこもる。
《ごめんね。なのは寂しい思いをさせて》きっとそう思っているんだろうなって、私もフェイトちゃんの気持ちを受け取る。
お互いがお互いを思いあう気持ちが伝わってきて、本当にフェイトちゃんと出会えたことに感謝する。
フェイトちゃんがいてくれるから、私は頑張れる。
もちろん、周りの人にもたくさん、たくさん助けてもらっている。
でも、フェイトちゃんがいてくれるから、フェイトちゃんがこんなに幸せを私にくれるから…心からフェイトちゃんを好きになってよかった。
だから…明日は笑顔で送り出そう。
元気なまま帰ってきてくれることを願い
「いってらっしゃい」と。
おわり。
戻る
トップへ戻る